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多様体/位相空間の記述

2016-04-08 (Fri) / カテゴリー:MentalMap,心的トポロジ

1.多様体/位相空間



     多様体の模式図

多様体(たようたい、英語:manifold)とは、
局所的にはユークリッド空間と見なせるような図形や空間(位相空間)のことである。
多様体上には好きなところに局所的に座標を描き込むことができる。
※wikipedia:多様体 より



建築や特に都市は、多様体をモデルとする解釈があります。

建築には、安全性、生産性、エコ、等々、様々な最適化の指標があり、
空間を伴う人工物として標準化されてきています。

当社では、その中で、多様体のような目線で、
設計者とユーザーの両方の空間を結びつけるための手法論が必要である点を、
意識的に研究開発を進めています。



2.極所座標のユーザー個別の空間


サン・テグジュペリ作 「星の王子さま」 より

そもそも、巨視的に見ると地球は球形で、
建築で柱や床等を基準としているような直行座標自体が本質的には存在しません。
局所的な視点で座標系を規定して扱っています。

物理的な存在である建築は、地球の中心に向けた重力最適化(構造としての成立)が必要なため、
直行系が重要視されますが、重力を扱わない情報空間では、その拘束が開放され、
また、我々はそのことに非常に慣れ始めていると思います。

物理的な存在である建築や身体による空間と、情報空間も混ざることで、
多様体モデルが示すように、局所的な座標が空間を伴って様々に個別に知覚されていると考えられます。


3.空間の際

東京大学で開催された、連続シンポジウム「建築の際」の記録集

「建築の際」と題して、
建築家と、音楽・劇作家・数学者・生物学者・映画監督らが、集まり、
2008年~2011年にかけて連続開催されたシンポジウムが開催されました。

「建築の際」の中の、2009年3月開催の「空間の際」では、
・原広司先生(建築)
・松本幸夫先生(多様体)
・暦本純一先生(IT、HCI)
の三者による対談が開催され、

建築による多様体の記述の可能性と、ITを応用した認知科学的な展開等が語られました
(暦本先生からは参考文献として人間中心設計に関する書籍も取り上げられました)。

情報世界が現実世界に及ぼす影響が日に日に大きくなっている中で、
ユーザー個別の空間を、モデルによる推論、に突き合わせながら測って実証していく、
その中での建築家の実践、と言った3者の座組みであったように思います。


4.多様体/位相空間を如何に記述し、共有できるか。

当社では、このような多様体/位相空間のモデルを、

UXD(ユーザーエクスペリエンスデザイン)と、
工学としての建築の側面の接点として、

アイトラッキングを利用して、
ユーザーから創発的に導くアプローチを試みています。




その共有として、
情報工学、物理学、製造業、エンターテイメント、
等々、様々なバックグラウンドのエンジニアの方々と、
概念共有、議論を深めつつ、
具体的なプログラムの開発を進めています。