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フランク・ゲーリー展

2016-02-01 (Mon) / カテゴリー:建築・都市

先週末に、六本木ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催中の
(今週が会期末でやっと行けましたが)
フランク・ゲーリー展に行ってきました。




ゲーリーの理論には、視覚認知の観点で
当社でもアイトラッキングも絡めて創業当初から多角的に取り組んでおり、
今回の展覧会は非常に心待ちにしていました。

非常に多数の模型や、最近のBIMの具体的な運用を説明した展示は、大変見応えがあり、
遅い時間帯でも多数の人が各種展示(特にBIM関連の映像の展示)について見入っていました。



ゲーリーの手法について今回の展示から思うこと

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※フランク・ゲーリーのマニフェストの抜粋

まずアイデアが浮かぶ。ばかげているけど気に入る。模型をつくって嫌いになるまで見続けて、それから違
う模型をつくることで、最初のばかげたアイデアを別の見方でみる。するとまた気に入る。でもその気持ち
は続かない。部分的に大嫌いになって、再び違う模型をつくってみると、全然違うけど気に入る。眺めてい
るうちに、すぐに嫌いになる。直しているうちに新しいアイデアが浮かんで、そっちの方が気に入るけど、
また嫌いになる。でもまんざらでもない。どうするか? そう、また模型をつくって、次から次へとつくる。
(以下略)

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今回の展示で、ゲーリーは上記のようなマニフェストを提示していますが、

ここで、アーキテクトとユーザーの関係として、
アーキテクトであるゲーリーの認知的な、気に入ると嫌いの感情が、
ユーザーに如何に影響するのか、を考えてみる必要があるように思いました。

ゲーリーの手法論は、一見、極めて、エキスパートレビューにも見えると思います。
これまで、初期の矩形の変形から、魚、花、炎、曲線、動き、等々様々なモチーフを挙げてきていますが、
今回、模型を見る行為からの、気に入る嫌いの説明を、特に取り上げて明示している点で、

アーキテクトの気に入る気に入らないの認知的変遷のメカニズムを
アーキテクトとユーザーを不可分に含めてしまうような手法

のようなものかも知れず、脱構築的なものとはまた別の手法論の可能性を感じました。



デジタルファブリケーションとIoT


<フランク・O・ゲーリーとMIT ~ステイタセンターのデザインと建設のプロセス~
ナンシー・E. ジョイス  (著), 松島 史朗 (著) 鹿島出版会 2007>


ゲーリーと言えば、私の母校の豊橋技術科学大学の松島史朗教授が、
着任初期の2007年に、ゲーリーのMITステイタセンターの施工プロセスを、
ハーバード博士号の成果としてまとめ、国内外で出されている書籍があります。

松島先生は着任当初から、未だ国内に少なかった3Dプリンタやレーザーカッターを導入し、
デジタルファブリケーションやパーソナルファブリケーション等の概念の説明や、
海外からゲーリーテクノロジーズの方々や、日建設計の山梨さんを呼ばれての公演など、
建築のデジタルデザインについて熱心に説いて頂きました。
現在は建築のロボット利用の領野を開拓されている
アンズスタジオの竹中さんらも在籍しておられます。

もう少し早く、ゲーリーの、設計・施工プロセスも含めた、
本格的な展覧会があっても良かったのかとも思いますが、
建築業界におけるIT化が黎明期の中、
ICTやIoTで異業種との連携も活性化した現在で啓蒙できることも非常に多そうです。