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空間の構成

2017-04-28 (Fri) / カテゴリー:MentalMap,心的トポロジ

今日は大阪出張で、大阪駅隣接のグランフロントにも立ち寄りました。

■1.印象的な空間構成
以前この建物のナレッジキャピタルを初めて訪れた際に、
案内図を見てから各フロアを探索した体験は、非常に分かり易く、且つ、印象的でした。


<グランフロントの断面図状の案内図>

ナレッジキャピタルと名付けられた吹抜けのボリュームに
回廊型にセミナールーム等が配置されている構成です。


<グランフロントのナレッジキャピタルの吹抜け>


■2.案内図の表記

案内図には様々な表記があり、

例えば下図のように、
・呼称や表記(フロアマップ・構内図・平面図、等)
・目的や設置位置(web、建物外部、建物内部エントランス、建物内部通路、等)
が異なり、それぞれのユーザーに対して働きかけています。


<様々な案内図>
※(左から)東京ビッグサイト、JR渋谷駅、あざみ野アートフォーラム、横浜市山内図書館


■3.メンタルモデル
案内図を考える際に指針とできるものの1つが
ユーザーのメンタルモデル(今回の例では探索時の思考プロセス)を意識した制御で、
UX領野由来の「テスラーの複雑性保存の法則」などは参考になります。

<テスラーの複雑性保存の法則>
※「インタラクションデザインの教科書」
Dan Saffer著、吉岡いずみ訳、ソシオメディア株式会社監訳より

この法則は、
一つの目的に対して使用するシステムを変更しても、
ユーザーの思考を併せたシステム総量は一定に保たれる傾向になることを示すもので、

デザイナーは、
ユーザー側が多く負担する場合/システム側が多く負担する場合、
いずれも総量一定であることを考慮して、
ドキュメンテーション等で体験のバランスを取ることが有効になります。

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建築領野の経路探索系では、
ワイズマンが、「良いフォルム」を類型した実験・研究があります。


<見取り図の「良いフォーム」を評価するために利用された30個の図のセット>
※「Evaluating Architectural Legibility Way-Finding in the Built Environment」
J.Weinsman著より

このセットを選定した際の評価項目は以下の5つです。
・好まれ易さ
・複雑さ
・相対的な分かり易さ
・覚えられる分かり易さ
・建物としての探索時の分かり易さ

何を設計(探索)の目的として、何を評価項目とするか、考えていくべき必要があります。


■4.体験の拡張へ

・分かり易さ/複雑さを如何に制御し実装できるか
・認知的な類型を如何に拡張させられるか
・何を豊かさと位置づけ如何に提示していけるか

ユーザーの体験のための空間の構成には、
アーキテクトやデザイナーの意思が問われるのだと思います。